ずばばばーん!!


シーリアスな場面に、いきなりマンガの擬音がとどろき渡った。
もちろん我らが正義の味方、白鳥香澄の登場である。

「コウっ! 大丈夫かっ! くるくる輪姦されてないっ!?」
黒羽の手が、あやうく男の喉にかかりそうになったその瞬間、木のドアを体当たりでブチ開け、白鳥が中に突入してきた。
「か…香澄…」
黒羽の手は途中で止まる。

「輪姦…って、相手一人じゃん」
「一人ですよ。しかしあなた、そのドアは引けば簡単に開くのに…壊しちゃって。造るの大変だったんですよ」
男の抗議の声を無視して、白鳥は裸に剥かれてしまった黒羽の身体に走り寄る。
トーゼン上に被さっている男の身体は、体当たりでぶっ飛ばした。
ドガーン ともう一度マンガの擬音が響き渡る。
「コウ、コウ、もしかして、まだ味見されてないの? オレってば間に合った?」
「香澄…香澄」
ひたすら名前を呼びながら、黒羽は白鳥の身体に抱きついていった。


じ〜〜ん。

恋人の危機に颯爽と助けに入る正義の味方。
そして、安堵の余り、しがみついてくる恋人を優しく抱きしめる。
ああ、オレってもしかしたら、今とってもヒーロー?

思わずオレも、ぎゅーっと抱きしめ返してしまう。
しかし………。
何か、硬いモノが、腹に当たります…。

「コウ?」
「香澄…」
黒羽の息は荒く、顔は妙に紅い。
「どうしたの? コウもしかして病気? まあここは、ずいぶん元気みたいだけど」
「違う…。あいつに」
「えっ、やっぱりもう、やられちゃったの?」
黒羽は眉をよせて、頭を振った。
「そうじゃなくて…」
「お、オレの登場に興奮しちゃったとか、違うか。じゃあえっと、ヒントヒント」
「香澄、あのね…」
黒羽は呆れたように首を振り、それから微かに白い歯を見せて、ふっと笑った。

よかった…。
僕は何をしようとしたんだろう。
完全に錯乱していた。
香澄が来てくれて、香澄がいてくれて良かった。
彼の腕の中で、こんなにホッとするなんて。
僕の身体の中にいる、暗い獣。
香澄がそれを光に変えてくれる。

「コウってば」
「薬を、あの男に…」
「毒かっ!」
「いや、その…」
香澄の耳に、こっそりと告げる。
瞳が大きく見開かれるのが解った。


「あんのやろ―――っ!」
ぶっ飛ばされ、展開に目をぱちくりしながら座り込んでいる男に向かって、白鳥は突進する。
「てめええ――っ。オレのコウに薬なんか盛りやがって。許さねえ」
「私はお礼をしようとしただけ…」
「強姦するのがお礼かっ!」
白鳥は男を泥靴で蹴飛ばした。
男はきゅっと言って床に転がる。

おのれ強姦魔め! 
白鳥はゴウゴウと怒りに燃えた。
その足の間にぶら下がってる汚いモノを
(コウ以外の男のナニなんて、キョーレツ醜いっ!)
思いっきり蹴り潰してやろーかっ!
(↑とても正義の味方のセリフとは思えません)

「強姦されて喜ぶヤツなんているかよ! そんなのは男の勝手な幻想だっ! しかも薬使うなんて、完全に犯罪じゃないか。オレは今は裸族みたいだけど、一応警官なんだからなっ」
白鳥は正義に燃えてしまう。
「け、警官?」
男は目を白黒させて、キョロキョロと辺りを見回した。
しかし別に応援の人間などいないと解ると、ちょっと居直って床に座り込む。
この反応、なんか犯罪者くさい。
そうは思うが、余罪を追及するより、今は目の前の強姦未遂だっ!
「どこまでやられた、コウ」
「…触られて、イカされそうになった…」
「漏らしてはいない訳ね」
黒羽は素直に、ついこっくり頷いてしまう。
この際射精したかどうかは、問題じゃないような気もするが…。
そうは思うが、香澄にとっては重要なことなのかもしれない。

「ご、強姦は親告罪だぞ」
男はぼそぼそと呟く。
なんだか彼も、強姦な気分になってしまったらしい。
まあとりあえず『お礼』という彼の主張が、絶対通らないことだけは確かであろう。
「訴えますか? 黒羽さん」
「漏らしてないし…。まだ突っ込まれても…」
真面目に答える黒羽である。
「まだ何もしてないよ」
男は少しホッとしたように笑った。
だが白鳥はギロッと男を睨む。

「一応言っとくがな、男への性的暴力は実は強姦にはならない。傷害だ。親告罪とか関係ないんだ」
「傷害って、傷つけてませんよ。だって、き、気持ちよかったでしょ? あのまま続けたら、もっと良かった筈ですよっ」
白鳥は再び男を蹴っ飛ばす。
ぎゅっと言って、また男は床に転がった。
「たとえイかせても、傷害罪なのっ! 薬飲ませた段階で、もう傷害っ!」
「良かった香澄…。あと少し遅れたら、傷害じゃなくて殺人になる所だった…」
「なっ、何だって!?」
「いや、僕の方が…だけど。でも香澄、傷害だ強姦だって言ってるけど、とりあえず最中に香澄が入ってきたんだから、現行犯でいいんじゃないだろうか」

「あっ、そうかっ。よーし逮捕だっ!」
逮捕という言葉に、男は妙に慌てて逃げようと動く。
その動きに、つい条件反射で白鳥は飛びかかり、そして男の身体を捕まえて投げ飛ばしてしまった。
男は、どった〜ん、とでかい音をたててあっさり投げ飛ばされると、頭でも打ったのか、そのままキュウっと気絶してしまった。

「ありゃりゃ…」
白鳥はぶっ倒れた男を見下ろして、眉をひそめた


香澄ちゃんの講座 『親告罪』とは?

被害者の中には、必ずしも犯人の処罰を望まない人もいる。
犯人を処罰するかしないかの判断を被害者の意思に任せるものを親告罪といいます。
親告罪は、被害届を出しただけでは犯人を処罰できない。
例えば、強姦罪や強制わいせつ罪はこの親告罪に当たり、告訴がなければ犯人を逮捕したり、裁判で刑を言い渡すことができない。



 
 素っ裸の男の身体を、つるでぐるぐる巻きに縛って、部屋の隅に転がす。
「コウ、立てる?」
白鳥は黒羽の身体を支えて立たせようとする。
しかし黒羽は、その白鳥の手にしがみついて引っ張った。

「コウ?」
「香澄…僕は」
薬は既に体中に回っている。
黒羽のその部分は、過激に反応しながら、そのまま放置されていた。
「香澄が…欲しい」
吐く息すらも熱い。
身体は痺れるようだった。
「でも、でもコウ…」
「薬、回ってるんだ。しないと、治まりそうもない…」
「コウ、オレ」
白鳥は首を振る。
だって、こんな薬でフラフラになっている恋人を抱くなんて、なんか強姦魔に便乗しているみたいじゃないか。

その気持ちがわかったのか、黒羽は微かに笑う。
「違う…。香澄とするセックスは、違うよ。確かに身体は薬でどうにかなりそうだけど、でも香澄となら、したい。
僕が、香澄を欲しいんだ。ダメか?」
「…コウっ!」
白鳥は夢中で黒羽の身体を抱きしめた。
ダメって、そんな訳ないだろっ。
オレはいつだって、コウが好きで、コウが欲しくてたまんないんだから。

そのまま深く口づける。

そうさっ。
最後には恋人を抱いて、真実のセックスをするんだっ。
そんでもって『香澄、いいっ、もっと、ああっ』とか言わせて、イかせてやるんだ。
それが攻の使命ってもんじゃないんだろうかっ!(←そうなんでしょうか?)


つーわけで、気絶した強姦魔を横に置いて、オレ達はベッドに転がり込んだ。
薬のせいなのか、コウの体はえらく熱い。

「香澄、あっ。香澄っ……」
身体のどの部分を触っても、コウは悲鳴のような声をあげた。
「香澄、お願いだ。もう…」
オレはすっかり準備の整ったコウのそこに、自分のものを押し当てて、ゆっくりと中に入り込む。
「あああぁっ…」
コウの声は、いつもよりずっと大きく、甘く、オレの耳に響いた。
「何か、コウ…。すっげえ熱い」
うひゃあ、どうしよう。
コウの中は熱く、うねるような感じでオレのモノを締めつけてくる。
動いたら、すぐイッちゃいそう。
いくら何でもそれは…。

だがオレが動かなくったって、もうコウの方はまったく制御が利かない状態になっていた。
「香澄、お願い…」
身体にしがみつき、腰を押しつけるようにして、動く。
「うっ、わっ。わわっ」
そのびみょーな動きに、オレは恥ずかしながら…、あっさりイッてしまった。
うっ、ううううっ。そんなっ。
ちょっと涙だったけど、コウはというと、それに気付いているんだかいないんだか、潤んだ瞳でオレの顔を見上げた。

ずきーん。

むちゃくちゃ色っぽいーっ。
お、男白鳥、頑張らせていただきますっ。
もうコウが望むなら、一晩中だってお努めさせていだたきま―――す!
(注:まだ昼間である)

もちろんオレのモノは、ビンビンに大復活。
だけどコウにもちょっと位はイッて貰わないと、オレの体力にだって限界がある。
腰を動かしながら、オレは夢中でコウのモノを愛撫した。
「あああっ」
コウが身体をのけぞらして反応する。

コウ、コウ。好きだよ。
ホント綺麗だ。
すっげー、いやらしい。
オレ、ドキドキしてる。
何度抱いてもその度に、オレはドキドキしてるよ。
今は薬使われてて、ちょっとばかりオレとしては不本意だけど、でも、すごくいい。
コウの顔、コウの身体。コウの心。
全部オレのだ。

…よかった。
ここにいるのが他の誰かではなく、コウだったって事が、オレは嬉しい。
「香澄…」
コウの唇が名前を呼ぶ。

そうやって、いつだってオレを呼んでくれ。
オレの名前を呼んでくれたら、オレはいつだってすぐにコウのところへ飛んでいくから。
どんなに遠くに離れていたって、絶対だよ。
コウの声なら、きっと聞こえる。
必ず聞こえる。
だって。
だってオレは、コウのたった一人の、今は本当にコウだけの

『正義の味方』

なんだもの…。

「コウ、好きだよ…」
その想いをオレは、言葉と身体でコウの中に刻み込んだ。

 

 

「やっと…薬が切れた」
「よ…よかったね」
いやもう、オレ的にも、よかったよかった。

だってオレ、もうこれ以上、たとえ一分だって、使い物になりそうもありません。
ぐったりとベッドに身体を横たえる。
きっぱり言って、さっきまで使用していたベッドだから、当然汗やらナニやら…。
言いたくないけど、寝心地がいいとはとても言えないベッドでございます。
でももうオレ、動けなーい。
バッタリと、本気でバッタリと倒れ込む。

「意外と早く抜けたな、薬。やっぱり慣れてたせいだろうか」
小声とは言え、不穏当なことをさらりと言う。
「だけど、この男のほうはどうする?」
白鳥は、まだ気絶して倒れている男の身体を、チラリと横目で見た。
「このまま転がしておこうか」
「ううん、何か怪しいんだよね、この男。警察って聞いた時、絶対何かやってる感じの反応だった」
「でも感じだけじゃ」
「そうっすねえー」
言いながら白鳥は部屋をぐるりと見回し、そして信じられないものを見つけたのだった。

「パソコン?」

何でジャングルに? しかもこんなテクノロジーの最先端が?
えっとー…。だけどまさか箱だけって事はないよな。
ぐるりと見回すと、なんだかちゃんとコードがずるずる繋がっている。
「電気、ある訳?」
首を傾げながらも、オレはパソコンを起動した。
「ちゃんと動くぞ。しかもインターネットも出来る。い、いいわけ? この状況」
黒羽と白鳥は、茫然と顔を見合わせた。
「ええと…」
「その…」
「これって」
「とりあえずSOSのメール出そうか、香澄」

という訳で、オレ達は『助けてー』というメールを出したのだった。

  

そして、男の正体もわかった。
こいつはなんと、俗に言う『マッドサイエンティスト』だったのだ。
何でも遺伝子に色々細工をして、奇妙な動植物を造っていたらしい。
と、いう事は…。
もしかして、この島の動植物がメチャクチャなのは、こいつが色々いじったせいなのか?
なんか都合よすぎという気もするけど(←まあまあ、まあまあ)
「じゃあここって、ドクター××の島、ってヤツだったのかー」
「それはなんだ? 香澄」
「あ、そういう映画知らない? コウ」
「知らないが。だが、彼に言われた意味は解った」
「意味って、何か言われたの?」
「ああ、僕の身体を撫でて、こんなに綺麗なのは、何か改造したのかって、そう言われた。ちなみに彼のアレは、改造済みだそうだ」
「か…改造って。なんつー言い方を」
それじゃまるで、仮面ライダーみたいじゃんか。
変身しそう…。


「で、この男はどうすればいいんだ?」
コウがオレに聞いてくる。
「どうしようねえ。悪いヤツだとは思うけど。別に捕まえるほどのことは…」
と言ってから、改めてむかつく。
『僕の身体を撫でて』ってコウ言ったよな。
おのれ。この野郎。
オレに断りもせずに、勝手にコウの身体を撫でたな。
やっぱり制裁が必要だ。

「何か、むかつくぜ。こいつをせめて困らせてやりたい」
「だったら…」
コウが口を開いた。
「この男は『駅』を捜しているらしい」
「駅って、あの、普通の駅?」
「ああ、しかも15年も、もう探し続けているらしい。それは趣味と言うより、まるで生涯の目標のようだった」
「ええっとー…」
徳川埋蔵金を探している人とかなら知ってるけど、どうして駅?
やっぱりマッドサイエンティストの考えてることは、オレみたいな凡人には解らない。

ていうか、解らなくても全然いい。
むしろ解りたくなんかありません。

「で、コウはどうしようと?」
「彼をどこかの駅に、置き去りにして来るというのはどうだろうか」
「どこかの駅って」
「どこでもいい。そうすれば、彼は目的を無くす」
うっ…
コウの口の端が、ほんの少し曲がっているのを、オレは見逃さなかった。

コウってば、実は密かに、すごーく怒ってるんじゃないだろうか。
だってコウの言葉を信じるなら、駅探索はこの男の生涯の目標なんだろう?
で、それを一瞬で終わりにしてやろうと、そういう計画な訳?

いや、その。なんか。
結構、と言うよりかなり残酷、かもしれない。
(目標が駅というのが、サッパリ理解できないが)

「でもさ、コウ。こいつはここの島の駅を探しているんじゃないのか? 駅はそれこそ世界中にたくさんあるし。もしもこの男が目を覚まして駅を見て、そんで、これは自分の探している駅じゃないって思ったら?」

「じゃあ」
なんと、コウは間髪入れずに次案を出してきた。
うっわー…。
やっぱ本気で怒ってるってばよっ。
「じゃあ、ここを駅にしてしまおう」
「ここって、ここ? この家?」
「そう」
コウはしれっと言う。
「ど、どうやって」
「駅と書いた看板を、この家の入り口にかける」

そ、そんな安易な…。

 

 

 だが結局、いつものコウらしからぬ押しのきいた行動力につられて、オレはテーブルの足をぶっ壊して、看板用の板を造ってしまった。
コウはそれこそ、満足した猫みたいな顔をして、その板きれに、でっかく書いた。


「これでよし」
そう言ってにっこりと笑う。
オレはまだ傍らで倒れている男の顔を、思わず見下ろした。
こいつ、目が覚めてこの看板を見たら、どう思うだろう?
少なくとも、ビックリすることだけは間違いないよな。
泣いちゃったりしてな…。

「で、こいつは」
オレの問いをひったくるようにして、コウが続ける。
「そのまま縛って転がしておく。運が良ければ抜け出せるだろうし、抜け出せなくても僕は構わない」
こ、こっえ〜。
なんかコウって、もしかしたら、マジに怒るとすっごく怖いのかもしれない。
お、怒らせないようにしようーっと。

しかし、こいつの何がこんなにコウを怒らせたんだろう。
オレはぶっ倒れている男を見て、なんとなーく、その原因の一つが解ったような気がした。
そう、男の顔は、とってもブサイクだったのだ。

コウって、自分じゃ解ってないかもしれないけど、実は面食いなんだよな。
改造したナニがどんなもんだかは知りませんが、ついでに顔もいじっとけば良かったのに。
それともなにか?
マッドサイエンティストって、こういう顔じゃないといけなかったりするんだろうか?
オレにはやっぱり全然解らなかった。

 

 

 コウの方向感覚のおかげもあって、オレ達は何とか元の海岸にたどりついた。そして助けにやってきた船に乗って、無事また文明社会に帰ることが出来たのだった。
しかし、帰ってきた文明社会で、オレはものすごい金額の請求書を突きつけられることになってしまった。

はい、ご想像通り。
オレ達は助けられたけど、救助の船はオレ達が漂流して乗ってきたヨットまでは曳航してくれなかったのであった。


「という訳で、クルーザー弁償しなくてはなりません」
しょぼんと告白するオレに、コウは優しくキスしてくれた。
「大丈夫。貯金もあるし、あとは一緒に働こう」
「でも…3000万円近く…するんだけど」
「……」
コウのキスが一瞬固まったのが解ったけど、それでもコウは黙って抱きしめてくれた。

それにしても、ああ…。
二人で家を買おうと思って、その頭金を貯めてたのに、全額パアかよ。
望み通りウォシュレット付きのトイレの生活には帰ってこられたけど、こんな事ならずっと無人島で、コウと二人っきりでも良かったかもしれないよな。
ケツは海で洗えばいいんだ、海で。
とほほ…。
これからは二人っきりで、倹約と生活苦の日々が待っている。
「ごめんな、コウ」
つい謝ってしまう。
「どうして? 二人で船に乗って、二人で遭難した。だから二人でそのツケを払うんだ。香澄が謝るなら、僕も謝らなくてはいけない」
コウの笑顔は天使のように綺麗だった。

「香澄がいれば、ほかのものはとりあえず後でもいい」

島でそんな風に言われたっけ。
じーんと、言葉が胸の中に蘇ってきてしまう。
ここにいるのが他の誰かではなく、コウだったって事が、オレは嬉しい。
そして同じように、コウも思ってくれてるんだ。
そうだよな。二人でいることが大事なんだ。
二人であそこにいてもよかったし、二人で帰ってきてもよかった。
もう帰って来ちゃったんだから、あとは二人で何とかするしかないか。
そうだよな。それにオレは、運がいいんだ。
きっとなんとかなるさ。


ピンチになったら、正義の味方の名前を呼ぼう。
だけど、ちょっとだけ思ってしまう。
正義の味方、彼自身は、ピンチの時に誰を呼ぶのかなあ。
誰も呼べない?
やっぱり自助努力?
それとも…。
それとも、みんなの力を少しずつ分けて貰って…ってヤツなんだろうか。

まあその後、金を無担保無期限で貸してやるとか抜かす、色黒外国人がやって来て追いかけ回されたり、ちょっと待て、あのクルーザーには保険かけてなかったのか? 疑惑が持ち上がったり、ごたごた色々あったんだけど。
その騒ぎは、また別の話になる。

そして、オレ達の予期せぬ休暇は、こんな感じで終わりを告げたのだった。

END

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