正義の味方「初期覚え書き」

 当時の覚え書きの切れ端です。
パソコン内から発掘されたので、アップしてみました。
ただ、本当に当時の書き散らしメモですので、シーンもブツ切れですし、日本語の表現がおかしな所もあります。
その辺りは、どうぞ読み流してやってください。(^_^;
最初、こんな風にシーンを書き散らして、イメージを固めていました。
香澄がアンダーの住人で風来坊。
黒羽が外から来た警察官、という設定でした。
黒羽は銃使い、香澄はナイフ使い。(一般人だから)
黒羽の口調が、今のものと比べると少し崩れていますね。
香澄は、ちょっと斜に構えた感じになっています。

 泣かないでよ、という言葉が口に上りかけて、喉の奥に消える。
香澄は泣いている黒羽が好ましかった。柔らかく笑う。
「泣けるって、いいな」
「何?」
少し怪訝な感じで歪む顔が、微妙にアンバランスで、また可愛い。
「オレは砂場のアンダーで徹底的に泣くことを禁じられた。ジャンクが涙の臭いを追ってくるからだ。
だからオレは、上手く泣く方法を知らずに育っちゃった。
変だな、オレ。高が泣くのを見てると、なんとなく安心する。ここは、平和なんだ」
「僕が、甘いって言いたいのか?」
「ああ、違う、違うって。そんなに睨まないでよ。あんたに睨まれると、怖いじゃないか。そういう顔も好きだけどね」
「ふざけてんのか?」
「あれ? こんなにオレは真剣なのに。オレは安心するって言ったんだ。泣くってさ、心の中の澱を流していく作業なんだって、誰かが言ってたよ。
オレは上手く流せないんだよ。だから、あんたが泣いているのを見てると、なんだか気持ちいい。
こういうの、代償行為っていうのかな? すり替え?」


「ジャンク?」
たちまち顔が厳しく引き締まり始める。口が引き結ばれ、目が僅かに細められる。
うん、そう。ぞくぞくする。
やっぱりあんたはそういう顔のほうが似合う。
泣いてる顔も可愛いけどな。
と、口に出したらぶっ飛ばされそうなことが、こんな時だってのに頭に浮かぶ。
今のほうが、断然キレイで色っぽいよ。
そういう、なんにも考えないで反射だけで動いているときのような、ちょっと野生の獣じみた顔が美しい。
それこそが、オレの知っている“左利き”の顔。
「なんでアンダー5レベルのジャンクがここにいるんだ?」


なんでオレが先のとがった長いナイフを持っているか解るだろう?
ジャンクの目に突っ込むんだよ。その為に尖らせてあるんだ。