ショタの話 番外 「オーメン2」について
今回は「オーメン2」についてちょっと語らせてください。
オーメン2は、ご存じの方もおられるとは思いますが、まあその、ホラー映画です。
1979年2月公開。ホラー映画「オーメン」の続編です。
続編っていうのは色々良し悪しあったりするんですが、この映画は本気で私的には大ヒットでした。
何たって中学生ですよ、中学生。13歳。
そのうえ、男子校で制服で寄宿舎です。
萌えポイント中心ドギュン、でございます。
…と、いきなり走り出してしまいました。失礼失礼。
とりあえず、正当派ホラー映画ですので、血とか内臓とかダメな方にはオススメしません。しかし、別に平気だけど、と言う方は、ぜひ! 13歳辺りの男の子同士がお好きな方はぜひ! 御覧になってみて下さい。
ダミアンとマークが、あああっ、というくらいギリギリで怪しいです。
という訳で、ホラー映画を恐怖抜きで。ショタ&ボーイズ的萌え見地で語ってみたいと思います。
まずは写真などをご覧下さい。
ソーンご一家の家族写真でございます。
上の両親は放っておいて(ウィリアム・ホールデンとリー・グラントなのに…放っておかれる二人)下の少年二人が、主人公のダミアン・ソーンと、従兄のマーク・ソーンです。
ダミアンは「オーメン」で、両親が死んでしまっておりますので、父親の弟リチャード・ソーンに引き取られます。(もちろんリチャードは悪魔の子だなんて知りません)その家の息子がマークで、二人は大の親友として育つ、という、その辺りがおおまかな設定。(大雑把すぎ?)
そして二人は裕福なソーン家の跡取りとして、陸軍幼年学校で教育を受けます。
いやあまあ。アメリカ映画でハイスクールが舞台といったら、ほぼ100パーセント、私服でダラダラした男女が、チアガールやってたり車自慢してたり、ガム噛んでたり、卒業パーティーのパートナー探しに汲々としていたりする画像になるのですが。
なんと! アメリカ映画の学校としては、素晴らしくストイックな
男子校 制服 寄宿生活 の3本だてです。
素晴らしい。陸軍幼年学校バンザイな感じです。
制服姿も凛々しい少年達が、ガムを噛むこともなく、年季の入った校舎を歩いていたりする姿は、ヨーロッパの映画な雰囲気も感じます。
話の展開はホラー映画ですから、ダミアンの正体を暴こうとした人達が、次々惨殺されていく、って辺りがメインなんですけど。
もちろんここでは、ダミアンとマークがいかに妖しいか、という辺りを語っていきたいと思います。
まず二人とも綺麗な男の子です。
これ、ポイント高いですね。
片方がブサイクだったりしたら、それだけで萌えには少々ストップがかかります。
裕福な家庭の坊ちゃんで、由緒あるソーン家の次期当主が、綺麗な顔をした二人の少年。とっても、いい感じです。
そして13歳。大人と子供の境目の「少年」たる存在。
様々なことを自覚し、世界を拡げていく時です。
ダミアンは成績優秀、スポーツにも秀でていて、カリスマ性を持つ少年。
マークはもう少し普通の少年ですが、それでも優秀。ダミアンのことが大好き、というのが伝わってくる感じです。
もちろん二人は従兄で親友なので、しょっちゅうふざけあったりベタベタしたり、大変美味しいのですが、ストーリーが進むに連れて、だんだんダミアンの方がマークに傾倒して行きます。
ダミアンは自分が悪魔だと知りません。
それで、それを知らされるシーンがあるんですけど、ここは結構泣けるシーンです。
たった一人、遠くまで吐き出しに行くダミアン。
「何故? なぜ僕なんだ!」
そう叫ぶダミアンは、哀れですらあります。
そして、自らが悪魔であると自覚した時から、よりマークに執着する事になります。
周りは大人ばかり。ただひとり自分と同じ年齢の少年。小さい頃から一緒で、大好きだった従兄のマーク。
彼だけが変わらない世界だ。
たった一人の自分の近くにいる自分の身近な存在だと、そう思えたんでしょう。
何もかも見知らぬものに変貌しようとしている中で、自分の中で変わらないのはマークしかないんだ、という感じです。
すべて変わってしまっても、マークが受け入れてくれれば、それで僕はいいんだ。
たとえば悪魔でも、マークがいるなら…。
彼を引き止めようとするシーンが、ラストクライマックス辺りにあります。
実は私、オーメン2ダミアンの小説版を持っていまして…。
(劇場公開当時に購入したもので、既に絶版です)
映画を見た後それを読んで、このラスト付近のダミアンとマークのやり取りに、超萌えたのでした。
映画だと、それほど会話がされていないのですが、小説の方は、もう。
「ぎゃーっ。マークのバカバカバカ。告白されてんじゃんよーっ!」
という感じなんです。
ちょっとだけセリフを書きだしてみようと思います。
(全文は何なので、ここが萌え、な所だけ、抜き書きします。(^_^;)
シーンとしては、ダミアンは悪魔の子だと、マークが気付いてしまうんですね。
それで、もうショックでぐるぐるしながら雪道を歩いていく。
後から追いかけてくるダミアン。知られたのだろうか、と思いながら、それでも普段通りに振る舞おうとします。
誰に慰めを求めていいのか。何か困ったことや悩みがあれば、いつもダミアンの所へ行くことにしていた。が、今はそれも出来ない。
「マーク、そこにいるんだろう?」
マークはわなないた。
「放っておいてくれ」
その声は自分にさえ聞こえないくらいだった。
「どうして僕から逃げるんだい?」
衷心からの嘆きが、その声にこもっていた。
「僕は、君が何なのか…知ってるよ」
「そうかい」
ダミアンは微笑した。
「ドクター・ウォーレンが、パパに話すのを聞いたんだ」
「あいつ、何を言った」
質問と言うより、むしろ命令だった。
「彼は…悪魔が地上に自分の姿を創り出すと言っていた」
「それで?」
マークは眼を離した。涙が頬に伝わった。
「言えよ、マーク」
ダミアンがひどく静かに言った。マークはやっとの思いで声が出た。
「彼が言ってた。君は、悪魔の子だと」
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ハッキリ破局が来ました。
知られてしまったと、ダミアンは思う訳です。自分が望んだ訳でもないが、それでも自分は悪魔の子である。それは受け入れなくてはならない。
しかし同時に、目の前のマークは、本当に大切な存在なのです。
どうして僕から逃げるのか、という辺りは本気で悲しいんですよね。
ダミアンの命令に、抗しきれなくて答えてしまうマークの姿も、何て言いますか、そそります。
でも破局の言葉を言わされたのか言ったのか、とにかく口に出してしまう訳です。
この後マークは、ダミアンがらみで起こった惨劇を口に出して彼を責めます。
それに対してダミアンは
ダミアンは混乱し始めていた。マークを傷つけたくなかった。
「マーク」
「よせ」
マークの声が悲しげに響いた。
「君は僕の兄弟なんだ。君を愛しているんだ」
「僕を兄弟なんて言うな。反キリストには兄弟なんていないんだ」
ダミアンはマークの肩を掴んだ。
「僕の話を聞くんだ」
「君は、君のお母さんを殺したことを認めるがいい」
「彼女は僕の母親じゃない!」
ダミアンが吼えた。
「僕の母親は」
「ジャッカルだ!」
「そうだ!」
ダミアンが誇らしげに叫ぶと、森の中にその声がとどろいた。
今、彼はすべての力を身につけていた。瞳は煌々と燃えさかり、顔にはあきらかに人間でない輝きが表れていた。
「僕はこの世で最大の力を持つ存在として生まれた」
「一緒に来い」
ダミアンが言った。
「一緒に生きていこう」
マークは眼を上げた。全身のおののきがやみ、従兄を長い間凝視していたが、最後にゆっくり頭をふって
「いやだ」
と言った。
「僕に」
ダミアンは哀願するように言った。
「跪かせようとするな」
マークは確固とした姿勢を崩さなかった。
「いやだ」
マークは地面から飛び出すと、疲れ切った足で走れる限りの速さで疾走した。
「マーク!」
マークは走り続けた。
「僕に近寄るな」
「マーク、オレを見ろ」
彼は命令した。マークは足を止めた。動くことが出来なくなっていた。
ダミアンが、今や抑制のきいた平静な声で言った。
「お願いだ。僕と一緒にいてくれ。僕のものになってくれ!」
マークはゆっくり向きを変えて、自分の従兄を見た。
「いやだ。君は自分の運命から逃げられないのだ、ダミアン」
自分ではない何ものかの力が、マークの口を借りて語っていた。
「自分のなすべき事をするがいい」
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ここまでです。
この後ダミアンはマークを殺します。
そして、殺したあと、天に向かって絶叫します。
いやもう、読んでて本気で「どーして一緒について行ってあげないのよ、マークーっ!」と、私も絶叫したシーンでございます。
愛してるとか、僕と一緒に行こうとか、僕のものになってくれとか。
セリフだけきいてると、どう見てもどこかのボーイズとしか思えません。(爆)
あげく、「僕を跪かせようとするな」ですから。
鼻血…。
この世で最大の力を持つ筈の少年が、好きな人を手にするためなら、ひざまずく事もしようかというセリフな訳です。
何たる熱い言葉。
マーク、キョーレツ愛されているじゃないですか。告白じゃないですか。
ダミアンが最初で最後、たったひとつ『欲しい』と言ったのがマークだった訳で。
彼が手に入れば、ダミアンは悪魔にはならなかったかもしれないような気もするんですな。
悪魔の子だというただそれだけの理由で、今までの楽しかった想い出も、好きだった気持ちも、全部棄てて拒絶するという態度は、キリスト教徒ではない私には、ちょっと解りません。
もっとも、この文章を読むと、ダミアンがマークを殺すところまで行かざるを得なかった最後のセリフは、まるで誰かに言わされているような感じなので、もしかしたら、これは仕組まれていたのかもしれないとも思えます。
悪魔になるためには、ダミアンの人間部分を断ち切る必要がある。
だから何かの力がマークにそう言わせて、ダミアン自身にマークを殺させたのだと。
自分がもっとも欲しくて、信頼し、愛していた人間をこの手で殺す事によって、もう人間の世界にダミアンはまったく未練はなくなったわけです。
無くしてしまった大切なマーク。
手に入らなかった変わりに、世界を手に入れて滅ぼす。
その道しか、もう残っていないから。もうマークはいないのだから、誰に対してどんなことをしてもいい。
しかもそれを殺したのは自分自身。
ダミアンは完全に悪魔になれるでしょう。
マークを殺した者に相応しい存在に…。
マークがついていってくれたら、なんて妄想も、何度も考えましたよ。
二人の綺麗な少年が、悪魔にもなりきれず、人にも交じれず、彷徨って二人きりで暮らすのです。
とってもお耽美かもしれませんが、そういうのも、いいよなあ…。
マーク、君だけがダミアンを止められたのに。
君の言うことなら、きっと彼はきいてくれたはずなのに。
どうして拒否したのか。
もちろんホラー映画ですから、ここでマークがダミアンを拒否して、殺されなくてはならない訳です。
解っているんだけど。
一緒について行って欲しかった…。などとボンノーまみれの私は、いまだに思っているのでした。
とまあ、ダミアンとマークにグラグラになりながら、私は当時日本版が出ていなかったオーメン2のCDを買いました。
(その後かなりしばらくしてから、日本版が発売されました。何故か、オーメンと、オーメン3のサントラは日本で発売されていたのに、2だけ無かったのです。輸入CD店でゲットしました)
そうしましたらね…。
サントラの一曲に、「I Love You,MARK」なる曲がっ…!!
やっぱりそうですか。LOVEですか!
もう一度鼻血噴いてもいいですか?
その後出た日本版のほうでは、この曲は「君が好きだ,マーク」というタイトルになっております。
もちろん、君が好きだマーク、も充分妖しいですが、原題が
I Love You,MARK なわけですから、もうねえ…。
サントラにも入っているからには、マークが好きだというのは、この映画のもう一つの要でありましょう。
彼を殺して、永遠に手に入らないようにして、悪魔であるべき道を進む。
そういう話なんだろうな、と思います。
マークは自分の手に入らない。
だったら、他の誰の手にも渡さない。
そうやって殺したんじゃないかなあ…と。
永遠に彼の命を手の中に握って、生きていくんだろうと。
愛という視点で見ると、そんな光景が見えてまいります。
(手の中にはあるが、彼のものにはなっていないところが悲しい)
やっぱり妄想としては、マークに生きていて欲しかった。
そして、二人でラブラブに…。
誰も入れませんよ。ダミアンには使徒がたくさんいますが、マークはダミアンのものなんですもの。
彼に手は出せません。うっとり…。
そういうの、いいなあ。
いろいろ妄想溢れまくり。
裕福な家庭の綺麗な少年達。
制服。
男子校。
寄宿生活。
実はどこかの高貴なお生まれでした。(この場合は悪魔ですが)
彼が手に入らないのなら、いっそこの手にかけてしまおう。
…ボーイズですよね♪
このシチュエーションで、他に何をやるというの。(←腐ってる)
これだけ揃っていれば、出来上るのは愛の物語です。
やっぱりとっても美味しい映画だと思います。オーメン2。
ボーイズおよびショタの萌えポイントを、確実についている貴重な映画です。
ホラーシーンが大丈夫なら、ぜひ御覧になってくださいませ。
END
「オーメン2 ダミアン」のキャスト等、詳しい情報はこちら。
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