誤字でもOK?


「初めてな単語」の続きになりますが
私が「抽送」を思い出そうとして間違えた
「挿送」

これ、数は少ないのですが、確かにこれを使ってボーイズ小説を書いているサイトがいくつも存在します。
まあその。
多分その人たちも私と同じ様な過程で、その言葉にたどり着いたのかなあ、と思うわけですが。
(多分ね…)
言葉って、間違えて覚えていることも結構多くて、もう、誤字脱字は一つ見つけると、30くらいはあるらしいです。
…っていうか、この間も私、一つ見つけたし。
ぐっすし。
思いこみの産物ですな。
どの言葉を間違えたかというと
「龍の刻印」にて

●正「対症療法」 ●誤「対処療法」

これずーっと、私なんとなく対処療法だと思いこんでいて。
思いこんでいたもので調べなかったんです。
しかしある時、小説を読んでいて自分の用語間違いに気付き、慌てて直したという。
(いまは直っております。でも、なおしたのって、ホンの2ヶ月くらい前なんですよね)
ふふふ…。延々2年くらい誤字を載せていましたか、私。
きっとまだあるに違いない。
抽送みたいに、首を捻るようなら調べることもしますが、正しいと思いこんでいると調べないですからねえ。
困ったものです。
きっとまだあるに違いないので、見つけたら、こっそりメールください。
こっそりなおしますので。
(こっそり直しても、こんな所で暴露していたら仕方ないですな)

ちなみに「対処療法」 でグーグルをぽちっとしますと
77,200 件もサイトがヒットいたします。
しかし「対症療法」で検索すると
なんと 35,200 件ヒットなんですな。
つまりですね。
間違っている方が、広く使われているわけです。
こういうのはそのうちに、言葉自体が変わる可能性がありますね。
でも、言葉とはそうやって移り変わっていくものなので、別に嘆かわしいとは思いません。
(古典で使われている言葉なんて、今ぜんぜん使われていませんものね)

 

 

しかしまあ、中には思わず吹き出してしまうような誤字や間違いもあったりして。そういうのは教えていいのか、どうなのか、迷う所ではあります。

もちろんここは、ボーイズ系で攻めていきますが
私の中での白眉にあたるものが

「インストール」

ん? インストールのどこがおかしいの?
と思われる方もいらっしゃると思いますが、
いやあ…使われている場所がね。
たとえばこうですよ。

黒羽は目を伏せて、快感に声をあげる。
「我慢できない? 欲しいならそう言って。コウ…」
耳元で囁かれる甘い声に、黒羽は頷いた。
「欲しい、香澄。香澄のモノが…」
白鳥は黒羽の足を開き、先端をあてると、ゆっくりと自身を
インストール した。

…………。
何を入れたんですか、香澄ちゃん。
いったい何をっ。
変なモノを黒羽にインストールしたらいかん!
下手なドライバだったりすると、本体自体が不調になるぞっ!
もう勃ちあがらなくなったり……

じゃなくて。

多分…「インサート」と書きたかったのでしょう、この場合。

何か入れるには間違いないのですけどねえ。
語感も近いと言えば近いけど。
しかし、勃ちあがらなくなったりしたら大変なので、へんなソフトや相性の悪いドライバはインストールしないようにしましょう。
(そういう問題じゃ…)

 

 

他にも同人誌で、
「注挿」という表現を発見したことがあります。

注挿かあ。読みは「ちゅうそう」で合っておりますね。
漢字が違うけど。
でも、なんとなく語感的には解る字面です。
注は、「注入」とかその辺りを感じさせますし
挿は、もちろん挿入です。

「注挿」

何だかこれでもいいじゃん、という気にさせる字面ですな。
だってどうせ抽送だって、本来の正しい漢字ではないようですし。
要は解ればいいんですよね。
ナニしてるって。

しかしそれにしても、
「挿送」にしても、「注挿」にしても、誤字の両方とも
「挿」の文字が入っている所が、なんとも言えません。
まったく入れることばっか考えてるから(私を含めて)
挿の字が入っちゃうと。きっとそういうワケです。…多分。(笑)


男が読むようなエロものには、「ぶっかけ」なるジャンルがありまして。
要するにこれは、顔射とか、顔じゃなくても、ナニをかける行為ですな。
これからも解るように、男は「出す」ことに、けっこう重きを置きます。
まあそうでしょうね。
出した時が気持ちいいわけですから。
男にとって、出すことは重要です。
しかし、女にとって重要なのは、やはり「挿入」でしょう。
ボーイズの場合は(別に男女の恋愛ものでもいいですが)
挿入は「好きな人とひとつになる」という大切な意味を持っています。

だから「挿」の字が自然に思いついてしまうのも、無理ないと。
私は思いますとも。
たとえ間違っていても、どーせ元の字だって創作熟語なんですから。
「挿送」でも「注挿」 でも、ノープロブレム!

…って、だめですか?
ダメでしょうかねえ。(^_^;
どうなんだろ。

※ 追記

前回の「初めてな単語」で抽送の話を書きました。
ラストに、フランス書院文庫に書いてある「抽送」の説明を引用させていただきました。
この説明で、抽送という文字は辞書には載っていない。何故なら造語だから。
という記述があったので、だったら、こちらが正しいと書かれている「抽迭」(ちゅうてつ)はどうなんだ? と辞書で調べてみたんですが。
…ありませんでした。
「抽迭」も辞書に載って無いじゃないか〜。広辞苑も引いてみたのですが、ありません。
で、またまた検索のお世話になったのですが。
ネット上で色々交わされていた議論を読んでみると。
ど〜も、「抽迭」も造語っぽい。
おいおい。

まあ私としては、言葉の語源なんてものは、これが本当の本流だ、とキッパリ言えるものの方が少ないのではないかと思っているので、どちらが間違っているのか決める事は出来ないと思うのですが。
少なくとも、フランス書院文庫の「抽送」の説明は、【正しい】わけではないようです。
論の一つだと言うことでしょう。
というわけで、訂正させていただきます。

ネットの議論で、大変興味深く面白い話が出てきたので、ちょっとだけ引用させてください。 「抽送ちゅうそう」という言葉は中国にはあるけど、「抽迭ちゅうてつ」は無いそうです。
抽送の意味は、ピストン運動のようなもの、で。まあ…使われどころは一緒らしいです。(やっぱりエロにしか使われないようです)

特筆すべきは
「抽挿」と書く場合もあるということ。
おっと、挿の文字が入っております。
やっぱり解りやすいですよね。「挿」
上記で書いた「挿送」でも「注挿」でもない「抽挿」
「挿」の字がつくのは、やはり自然な感じがします。(笑)
私は抽送より、抽挿のほうが解りやすくて好きですねえ。
どうせ造語なんだったら、こっちを使ってみようかしら、なんて思ってしまいました。

END