「無限のリヴァイアス」

 イクミのイラスト  

アニメの話第一弾は、無限のリヴァイアスです。
実はリヴァイアスのことを語りたくて、アニメのコーナーを作った…のだったりします。(^_^;
煩悩まみれの話もいたしますが、どうぞ呆れずにお付き合いくださいませ。
無限のリヴァイアス。久しぶりに、とっても楽しみに見ていたアニメでした。
99年10月6日から、2000年3月29日まで、テレビ東京にて放映。
全26話。
私はもちろん、すごくお気に入りだった訳ですけど、でも「絶対オススメ」アニメではありません。
「お気に入りだけどオススメではない」この違いがわかるでしょうか?
何故なら、きっと見る人をすごく選ぶと思うので。
内容はというと、こんな感じのお話です。

2137年に太陽から地球の公転周期に対してほぼ水平に噴出した巨大フレア、ゲドゥルト.フェノメーン。
これによって地球の南半球は、ほぼ壊滅。17億の人間を失う。
太陽系にも、このゲドゥルトの海は広がっており、内部は高温と高重力が渦巻いている以外は、謎のままになっている。
2225年、事は起きる。地球と火星の中間軌道に建設された宙航士養成訓練所リーベ.デルタが突如ゲドゥルトの海に沈みはじめ、崩壊する。
何とかそこから逃げ出せた生存者は、たまたま休みの間そこに残っていた少年少女達ばかり487名。
彼等は宇宙艦リヴァイアス号に乗り込んで、救助を待ちながら漂流するが…。
と、まあこんな感じの話と言えば、話なんですけど、これだけ聞くと、どの辺が人を選ぶのかが解らないかもしれません。
ハードSFみたいなところが駄目なんだろう、とかって思われちゃいますよね、この書き方では。
いやー、確かに設定はハードSFなんですけど。
(SFファンとしては、もっとこの設定に突っ込んで欲しかったのも確か)
しかし話のメインは、この船に否応なしに乗り込む羽目になり、不安の中で漂流し続けなくてはならなくなった少年少女達の、リヴァイアスの中での日々の出来事なんですよね。
少年少女達が漂流、っていうと、(だいたい13歳から17歳くらいまでの子供達)バイファム、とかを思い出しますけど、この話、そんな健全なものじゃ、全くなかったです。
いや、夕方6時台でよくやったよ、と思うくらいの何かすごいアニメでした。
3〜4話くらい見たところで、これは「バイファム」じゃなくて、「蠅の王」なのかと思いましたが、まあ、後で知りましたが、監督の谷口氏が「蠅の王」「漂流教室」「ジャックのいないバイオレンスジャック」って言ってましたから、私の感想はそれなりに的を射ていたのだと思います。

つまり―― テレビ上、おいおいまずいだろう? それは、的内容を、隠しながらとはいえ堂々とやってしまっていたのです。
子供ばかりの世界は、誰も押さえるものがいない。
無秩序、我が儘、非協力、暴力沙汰、力と恐怖による支配。
隠されてはいるが、殺人と、そしてセックス。
なんていうか。6時台のアニメなんですけど…。
これだけ聞いても、何かおなかいっぱいな気がしませんか?

でも、私はこのアニメがずっと持っていた緊張感と、押しつけてくるような暗いトーンが大好きでした。
『暗い』といっても、みんながべそべそ泣いてるわけではなくて。
ただ、子供の持つ短絡さや、思春期の焦燥や、手の届かない力に向かうときの歯がみするような無力感、そしてそれでも突っこんでいくしかない無謀さ。未来が予想できない子供の、心の中の混沌。
こういったものが、暗い緊張感として常に漂っていたんですよね。

友達の一人が、暗くて辛いから、この話は苦手だ、といっていました。
うん、それは解ります。
なぜなら私は、暗くて辛いからこの話が好きだったのです。
暗くて辛い話。
確かにそれが、無限のリヴァイアスというアニメだったように思います。


 
キャラクターでは、イクミと昂治が、ワンセットで好きでした。
もちろんこの辺から話が、同人女らしく怪しい方向に捻れるのは、広い心で大目に見てやってくださると嬉しいです。
カップリング話が、ほんの少しでもお嫌いな方は、以下の戯言は飛ばしてやってください。(笑)

最初は、とにかくイクミが好きでした。
あの、軽いところとか、そのくせいざという時に機転の利くことをやってのけられる行動力とかが、すごく魅力的でした。
2話あたりで、(この話では、イクミと昂治が手をつないで走っている、美味しいシーンが見られます。ふふふ)
あ、こいつは心に傷を持っている。多分家族を失っていて、それは自分の力不足のせいなんだと思っている。と気付きまして。
きっと、後半こいつは崩れる。そう思いました。
もちろん、余計に好きになりました。後半どう崩れてくれるのかが楽しみでねえ。
どうしてそんな予想がつくんだ、と思われる方もいるかもしれませんが、これが物語り造り屋の性でして。
アニメ見ながら、自分が話を作るなら、ここでさらけ出した傷は、後でちゃんと使わなくっちゃ面白くないよね、とか考えているんですよね。
そして、たまたま私と同じ演出を監督が考えていたんでしょうね。イクミが崩れるのは、おお当たりー、でした。
まあ、崩れなかったら、多分私はここまでリヴァイアスには入れ込まなかっただろうとは思います。
だってそうなったら全然違う話になったでしょうし、それはきっと、私の好きな展開ではないからです。

ただ、ひとつ間違っていたのは、私なんとなく、イクミが無くしたのは妹だと思っていたんです。(まったく根拠無し)
姉だったとは。しかも自殺。そのうえ近親相姦。
ここまでは私だって予想つきませんでした。
ううん、いい意味で裏切ってくれた。私が考えていたよりずっと深い傷を見せてくれたので、私は嬉しかったです。
だから余計好きなんですけどね。
そして昂治は、唯一このイクミを助けてあげられる人間だと、私は思っていたりするわけです。

アニメから逸れてしまうんですけど、ドラマCDの三枚目、「木星のばら」は、マジ泣きました。
昂治ってすごいと思いましたよ。強いです、あの子は。
私はまあその、ショタでして…。(^_^;
容姿の好みからいうと、エヴァンゲリオンのシンジみたいなのが、けっこうツボなんです。
(シンジはあんまり情けないんで、かなり引いたけど。でも顔は好き)
昂治はその流れを引いていて、顔的には最初からとても好きでした。
でも、話が進んでいくうちに、シンジとは反対に、凄く強い子だと思うようになりました。
何か、周りの評価はまったく反対だったので、昂治のどこが弱いんだ、みんな見る目無いのか、とか思っていましたが。
まあ、毎回ぼこぼこに殴られてたから、仕方ないかとも思いますが。
あの強さは、きっとお子さまには解らないのよ〜。←勝手に興奮。
ああ、でも黒田さんたら、大人はこのアニメの対象外だとか言ってます。
そんなこと言わないで、まぜてください。
ぜひぜひ。穢れた大きいお姉さんも、よろしくしてやってください。
いやいやいや、何を言ってるのやら。

昂治の強さは、なんて言うのでしょうか、すごく前向きなところなんですよね。
誰でも思春期には経験していると思うんですけど、自己嫌悪によるマイナス方向への思考、ってあるじゃないですか。
それでどんどん自分を追いつめてしまったり、現実逃避みたいな事をしてしまったり、するやつ。
自己顕示欲と自己嫌悪。
この二つのせめぎ合いが、思春期ってものかな、と思いますが。
しかし昂治は『おまえはまだ、子供だろう?』と思うくらい、バランスがとれていて、前向きなんですよね。
ぼこぼこにされるんですけど(腕力無いから)でも打たれ強いっていうのか、無力さにうなだれることも、もちろんあるんですけど、それでも自分が今できる事をやろうとして、また前を見る。
ちっとも明るくないキャラなんですけどねえ。
なんなんだよ、もう、とかしょっちゅう呟いているし。でも。

『何もしないでやってくる明日なんていらない』

こんな言葉が言えてしまうなんて、私はすごいと思う。
当たり前のように、明日が来るとは思わない。
もし来たとしても、自分が何もしないで、それでただやってくる明日なんて、自分にとっては無意味だ、といっている訳です。
いやもう。りっぱな「男」です、あなた。
子供だから当然力不足なんですけど、常に自分の立ち位置を自覚していて、覚悟が決まっているんですよね。
か、かっこいい…。
しっかりハッキリ、惚れてます、私。
それともう一つ。昂治が強いと思った理由。
昂治ってあれだけ毎回ボコボコ殴られて、色々追いつめられていたんですけど、でも泣かないキャラだったんですよ。 彼が泣いたのは本当に後半で、確かあおいとゴールインしちゃったときです。

あおいがぐちゃぐちゃに泣きながら、気も狂わんばかりに昂治に懇願する。
もうこんな世界にいるのには耐えられない。お願いだから逃げ道をくれ、と昂治に迫るシーン。

『今のこの状況を、嘘だといって。何もかも夢だって。昂治が言ってくれたら、あたし信じる。だから嘘だって言って』
(うろおぼえー)

女の子にしがみつかれて、こうせがまれたら、男はなんて答えたらいいんでしょう。
もちろん抱きしめて、彼女に嘘だって言ってやるのも、優しさかもしれません。
しかしその方法は、場合によっては一種の『逃げ』にもなる訳です。
彼女に現実を認識させる方が、何倍も大変なのですから(彼女は既に、嘘を望みたがっている訳ですものね)
そして、もちろん昂治は逃げませんでした。
それこそあおいに負けず劣らずぼろぼろ泣きながら、
『これは現実だ。現実なんだよ』
そう言ってあおいとまっすぐ向かい合う昂治
強い。いやホント。
どれほど苦しくても、逃げない。
そして自分が好きな人にも、嘘をつかない強さ。

この時初めて昂治は泣いたんですよね。
あれだけ酷い目に遭っていながら、それでも泣いたのは、ここ。
実に印象的でした。

ですからね、昂治がCDドラマ「木星のばら」で、イクミのために、ごめんよ、と言えた強さに、また泣いたんですよねえ。
だって昂治は、イクミに撃たれて、そのために右腕は二度と肩より上に上がらなくなっているのです。
自分を傷つけ、殺そうとまでした人間。
その相手に『わかってやれなくてごめんよ』と言える。
彼のために泣いてあげられる強さ。
ああ、昂治、イクミを助けてやって。
あの子は弱い。
本当は誰よりも。

そーいうわけで、史都玲沙は、ここで昂治×イクミ決定しました。
ええい畜生、マイナーカップリングがなんだというんだ。
愛があればいいんだ!

だけど時々思います。
たまには、メジャーなものに嗜好が向いてもいいじゃない。(T-T)
そうすれば今ごろ、大手サークルに…。(なれるかどうかはともかく、買える同人誌はたくさんあるよね)
ため息が出ちゃいます。はあ。



イクミは後半がたがたと崩れてくれて、私としては、本当にどきどきものでした。(いや、わくわく?)
もう、こずえの足元にひざまずいて、姉さん、って言うシーンなんて、うわー、どうしよう。でした。

「守ってね」
「はい」

はい、ですよ、はい♪
ああ、うっとり。
いい、この、「はい」って返事。

はっ、何か突然とち狂っております。
この「はい」は聞いてもらわなくては駄目ですな。関智一さんが、この「はい」をぞくぞくする声でやってくれてます。
しかしここで、昂治とイクミの精神の明暗が、くっきりと別れるのが解ります。
昂治がこれは現実だ、逃げるな、と言っていたときに、イクミはかつて守れなかったものへの夢へと逃げてたんですから。

だから、ラスト。
イクミに自分の言葉を伝えるために、半死半生で来てくれた昂治。
再びリヴァイアスに乗ることになったとき、もう一度イクミに笑ってあげた昂治。
もうこれだけで、私の煩悩は爆裂です。
そこで、ぎゅっーっと抱きしめるんだ。…ああ、もうそれ25話でやってるか。昂治血まみれだけど。
25話といえば、昂治がイクミに殺されそうになったとき、ぱっと祐希がさせまいとするのもなかなかです。
(しかし、もちろん私は、昂治が祐希を遮って、いいんだ、イクミの好きなようにやらせてあげてくれ、って言うところに煩悩したんですけど)

いやー、祐希、ずっとブラコンだ、ブラコンだとは思っていたけど、やっぱり兄ちゃんのこと好きだったんだね。ふふふ。
(リヴァイアスのインターネットアニメーションで、そのネタやられた時には、ちょっと“がはっ”となっちゃったけど)
あくまで第一は昂治×イクミですが、兄弟ネタもなかなかそそります。
昂治×祐希も、私おします。
(これが、祐希×昂治じゃないあたり、私…。とほほ…涙)
祐希は、子供の頃の、兄貴を殴り倒しちゃった後の、なんか傷ついたような一瞬の顔が好きです。
あんまり可愛いんで、ビデオ止めて見ちゃいました。(笑)
でも、昂治はけっこう独立しちゃってるから、報われないブラコンはやめといた方がいいと思う。
ああ、今度はブルーを目指すのか。ううん、可哀想なカレン。
でも仕方ない、祐希は子供だから。  
他のキャラクターですと、まあ、ブルーとか、ユイリィとか、ランとか、パットとか、ルクスンとか、ヘイガーとか。
ああ、ネーヤを忘れちゃ駄目ですね。
嫌いなキャラっていないです。ううん、ファイナは、ちょっと、こ、怖いけど。

ファイナの人殺しについては、私ずいぶん後まで気付きませんでした。
気付いたときには、ああ、こいつ、殺ったの一人じゃないんだあ、って思いましたけどね。
こ、怖い。美人なだけに、余計。
セックスに関しては、色々あるんですけど。
アニメだけからわかるものとしては、こずえの輪姦ですかね。
あと、ミシェルも絶対。
もしかして、クリフも、なんだろうか? 下は工事してないそうだけど、それでも輪姦されちゃった方に一票投じたい。
つまり、この時代、ホモへの偏見はないのだ。ということで。
そーいうわけで、チャーリーとクリフの純愛も、普通のものね。
よし、オッケー。

アニメからだけではわからなかったものでは、ヘイガーがゲイだったこと。
それとも、わかるようなことどこかで言ってましたっけか?
しかし、イクミが船内を恫喝してたときに二度も自慰をしちゃったとか、でも実際の好みはルクスンだとか(ちょいとデブ専)いうことは、アニメだけじゃわかりませんよねえ。
(ていうか、解らなくてもいいんですけど)
無限のリヴァイアスロマンアルバムには、こういう嬉しいんだか、余計なお世話なんだかよく解らない設定が、山のように書いてあります。
このテの本は3冊ほど出てるんですけど、私は全部持っております。
小説版は買う予定無し。なぜなら、内容の順番がアニメと違うと聞いたので。
特に、最初の方からファイナをエキセントリックな女として書いてしまうらしいのには反対。
つまらないじゃないですか、それじゃ。
最初は美人で控えめで、普通の女の子、と思っていたら、実は人殺しで、宗教で、扇動家で…。
だんだんじわじわ解ってくる辺りが、衝撃的で怖いんじゃないですか。
そういう面白さを、無くしてはいけないと思います。



2000年秋までにネットで配信していたミニアニメ、「無限のリヴァイアスイリュージョン」は、けっこうおすすめでした。
なんか、悪のりの世界が楽しめました。
いやあ、赤ふんしめた昂治に、兄貴、好きだ、という祐希を見たときにはひっくり返りましたけど。
昂治。オレもだ、とかふんどしのままさわやかに言わないように。
(ちなみにこのふんどしはクリックすると外れます)
声優の都合で、イクミが全然出てくれなかったのが、ちょっと私的にはなんなんですけどねえ。
しかし、昂治のパンツ借りるな、祐希。そんでもって昂治もしみつけるなよ、とか言って渡すな。どんなしみだ、こら。
ああ、二人結婚もしちゃってるし…。
スタッフどういうつもりなんだろう。あああ――。(爆)

2001年に入ってからは、ネットアニメは見られなくなりました。
とりあえず、DVDファンディスク 無限のリヴァイアス ライト 1〜3に、このイリュージョンは収録されています。
ただ、クリックすると画面が変わるという面白い仕掛けは、なくなっちゃっているみたいなんですよね。
私はもちろんDVDを買ったので見てみたんですが、何をしても出来なかったので、きっと出来ないのでしょう。残念(×_×)
それとも、どこかに隠しモードがあって、ふんどしが取れたりするなら、どなたか私に教えて下さいませ。
よろしくお願いいたします。

 
気付いたら、すごく長くなってしまいました。
もっとも、こんなに長くなったのは、やっぱり個人的にすごく入れ込んでいるせいと、誰かとお話ししたいからなのです。
そして知らない人には、お好みに合えば見て欲しいから。
お好みそうならば、どうか見てやってください。
とりあえずリヴァイアスの話はお終いです。
思いきり語れて嬉しかったです。
ではでは、次回をお楽しみに(している人がいるといいんですけど(^_^;)
それでは、また。

END

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