心の境界線−どこにありますか?


 ボーイズラブは一種ファンタジーだと思っているので、都合の悪いことや面倒臭いことは書きません。
読む方に勝手に補完してもらったり、適当に無視してもらったりしていただいております。
というわけで、正義の味方を読む時は、脳内補正を、どうぞよろしくお願いいたします。<(_ _)>
それで、実際どんな風に、書いたり書かなかったり適当に飛ばしたり誤魔化したりしているかと言いますと。

たとえば、正義の味方「incident12 夜の息」
話のラストで、この後二人はホテルに行くわけですが。
一度玄関先で半分服着たままエッチしちゃったって事は、何もかもぐしゃぐしゃです。
ホテルに行く為には、まあ別にきっちりスーツ着なくてもいいですけど、それでも適当に着がえる必要があるでしょう。
汗もざっと拭いて、髪整えて、服着がえて……。
大体この辺で、ちょっと情熱というか、衝動というかは冷めちゃいますね。
これから初めてヤリに行くぜっ、てのならともかく、一発やってますから。
ガツガツ度は減ってるはず。

しかし。
もちろんファンタジーなので、その辺の面倒くさいところは全部パスです。
一瞬でテレビドラマのような場面転換。
あっという間に裸でベッドの中。
なんて便利なんでしょう。
着がえたり、ホテル探して歩いたりしなくてもいいんです。
一回エッチした後の情熱の盛り上がりのまま、即、次の一戦に突入できます。素晴らしい。
香澄も、二回目をちょっと待ってとか言いません。
すぐ復活です。都合がいいですね。
玄関先の廊下に黒羽が出しちゃったものの始末も、ティッシュでしなくてもOKです。
そういうシーンは、脳内補正で無いことに。
しなくても、廊下は綺麗。
シーツをがこがこ洗濯したりするシーンも、無し。

いやいやいや。
何を今さら言っているのか。ではあるわけですが。
ほら、ボーイズでこだわるシーンって、人によって違うじゃないですか。
つまり、どこまでをファンタジーでごまかして、どこまでをリアルっぽく書くかですね。
アナルセックスですか? やおい穴ですか?
ってな感じですけど。
「正義の味方」の場合、一応アナルセックスではあるけれど、限りなくやおい穴に近いんじゃないかと思ってます。
それほどは、リアルにこだわってない。

だってアナルセックスだと、腸内洗浄しなくちゃならないじゃないですか。
……いや…。
しなくてもいいという人もいるかもしれませんが……。

……まあ

その辺のこだわりに気がつくと、話を作る時どこに自分が線を引いているのか、境界線が解ってくるわけです。
つまり私は、

アナルセックスにしちゃうと、腸内洗浄が必要だよね

と思ってしまうタイプだと。
そういうこと。
じゃ、いっそのこと、やおい穴にしちゃえば?
開き直ってさ。
なところですが。やおい穴までは、なかなか行ききれない。

何故ならですね。やおい穴の中にはですね、触っていると勝手に濡れてきたりしちゃうものもあったりするわけですよ。
どーせファンタジーなんだから、いいじゃんっ、と心の底から思っていたりするわけですが、それでも自分ではそれは書けない。
勝手に濡れる穴だと、納得がいかないんですな。
自分で書いているのも、充分やおい穴のくせに、そこまで行ったらファンタジーすぎるよな〜、と無意識に線引きしているわけです。

というわけで、ローションとか使用している私の小説ですが。
でも、腸内洗浄はしなくてOKですっ。
だって黒羽ったら、たとえば海里を誘った時とかなんて(incident11「華やかな仮面」のアクセス「苦い水」)絶対用意しているわけ無いですから。
香澄とも突然ヤッてること多いし。
いくら何でも、いつでもOKな様に、常に洗浄しているなんてありえないし。
だからその辺はいいのです。
その辺はやおい穴なので、突然エッチしても、ウ●●つきませんっ。
(チカラ入れて語ることか?)

別に、アナルセックスで洗浄しなくても、美人は排泄しないという方向性で(笑)汚くないって言うんでもいいじゃない?
とも思ったりするわけですが。
何故か、そんな風に理屈では思うくせに、心の中の線引きは、不思議と許してくれないようなんですよね。
何故でしょうねえ。
そんな頑なに、完全にアナルセックスなら、洗浄しなくちゃ、とか思わなくてもいいじゃない、と思うんですけどねえ。
心の中の「やおい魂」が、何故か許してくれません。
というわけで、非常に曖昧な

「アナルセックスと認識はしているが、それでも限りなくやおい穴に近い形で、ボーイズエッチを扱ってます」

という立場で書いている私です。
もちろん、これは自分で書いている時だけの線引きなので、読む時はほとんどのパターンはOKでございます。
完全やおい穴だろうと、洗浄タイプだろうと、ノープロブレム。
美味しく楽しめます。

まあ、どっちにしろ。
リアルかファンタジーかなんて、細かいことを言いだしたらきりがないんですけどね。
(だって、やっぱり初めてでいきなり入るかって問題とか、考えたらねえ。昔の陰間茶屋とかでも、だんだん慣らしていったそうですから。やっぱり始めてすぐに一気には難しいって事でしょう。いや、もちろん出来る人もいるだろうけど)


どうして突然そんな事を、あらためて認識しているのかと言いますと。
最近友人が、やおい描いたんですね。(こっちは漫画)
で、その友人が
「射精した後、ティッシュ差し出すシーンをわざわざ描くな、と読者に言われたんだよな〜」
とぼやいていたのを思い出したから。
そういえば彼女は、前に描いた話でも、やる前にコンドームつけるシーンを描いていた事を思い出しまして。

『男同士のエッチを描写する時、コンドームつけるシーンを、わざわざ描くか否か』

ボーイズを書いて(描いて)いらっしゃる皆さまにおかれましては、この辺りの描写は、いかがなものでしょうか。
私自身は書いてません。(ていうか、つけてないし(^_^;)
男同士のエッチの場合、基本的にはつけた方がいいよね、と心のどこかでは思いますが、とりあえず無しの方向性で。

いや、すごくポリシーがあるわけじゃないんです。
ただ、つけるシーンをそれほど書く気がないだけ。
書いている方の中には、つけるシーンを文章の途中で入れると、気分が盛り下がっちゃう気がして、という、きっちりしたポリシーの元、書かない人もおられるようですが。
私は単に、いいや〜、めんどいから〜。
という、大変怠惰でいいかげんな気分の元に、つけてません。
といっても、何と言いますか。
フィニッシュで恋人の中に放つ、というシーンが書ける、というメリットがあるので、あえてつけてない部分もあるわけですが。

逆に描く方の中には、コンドームつけるシーンを、ねっとり嫌らしく表現するのが楽しいから書いてますっ。
という人もおられるようです。
人の萌えポイントは色々ですね。

その友人は、コンドームつけるシーンを描いたり、射精した後ティッシュ差し出すシーンを描いたり。
ボーイズ的にははぶくことも多いシーンを、どーも好んで
(多分、それほどポリシーとか考えがあるわけではなく、いたって普通に、なんだか自然に)描くらしいのですが。
読み返して、フッと気付いたことに、腸内洗浄はしても、ローションとか使ってないな〜。ふーむ……。
そこはどうやらこだわりの対象ではないらしいです。
(これは友人の話なので、その辺りどうなのか、あとで本人に聞いてみようかと思ってます)
ここまで色々わざわざ描くのに、そこはいいのか〜、とローション使う派の私にとっては不思議な感じがしました。
やっぱり本人が、描写のどこにこだわるのかって、面白いですよね。

私はどーも、滑りがいい方が気持ちいいでしょ?
な辺りに重きを置いているらしいです。
前を触る時も、ヌルヌルしてたほうがいい気がする。
まあ、文章ではそこまで描写しませんけどね。
男性向けではないので、表現はちょっと控えめです。
(といっても、男性向けが書けるわけではないですが…(^_^;)


何かを描く時、無意識のうちに心の中に線を引く。
どこにこだわって描きたいか、どこまでリアルに描いて、どこを誤魔化すか。
この辺りは人によってホントに色々で。

やおい穴で勝手に濡れちゃって、愛があったら妊娠だってするかもよ
な過激派ファンタジーから
ケツ毛でオッスで、ウ●●付くこともあったりする
ガチホモ本格派(ただし、それなりに特殊)まで。
この間には、細かいグラデーションで無数の中間層が存在します。
どの辺りに、自分の萌えとリアルな説得力を混ぜ合わせて着地するか。
自分の心の中を探っていくのは、結構楽しいです。
探っていくと、意外と無意識のうちに線を引いている事に気付きますよ。
そして「無意識の線」は、なかなか飛び越せなかったりします。
理屈では、それでもいいじゃん、と思う部分もあるのですが。
それだと自分が納得できないんだよ〜、と思う。
なるほどね、自分の創作のこだわりは、そんな些末なところにもあったのか。
そう自覚するのも、楽しいです。

それにしても。
いつ、そういう線が引かれるんでしょうねえ。
たぶん年齢や経験によって、線の位置や長さや色は変わっていくんだろうな、という事だけは断言できますけど。
それがいつ、どういう形で形成されていくのかは、永遠の謎です。


ところで先ほど、「男性向け」と書こうとしたら、最初に変換されたのが
「男性剥け」でした。
あの…。ATOK先生……?
私、確かにエロエロ単語をたくさん書いていますが。
それは否定しませんがっ。
でも、剥けるの剥けないのって話は、まだ書いたことありませんよっ!!
一体どこからこんな変換がっ。
さすがですよ、ATOK先生。この、セクハラワープロソフトめ。

END